木俣肇先生(アレルギー科 木俣肇クリニック)

アレルギー科 木俣肇クリニック
大阪府寝屋川市早子町2-21
早子町オオヨドビル3階
2014年5月12日 開院

チーム木俣

チーム木俣がアトピーを治す―ステロイド・プロトピックフリーによるアトピー治療法



●過去の勤務先


木俣肇先生の監修本

木俣先生の勤務先である、協和会病院外来では消費税抜きで販売しております。

「笑顔のわたし」でいたい 《鎌田文世著》

アトピー性皮膚炎の治癒へ
  一期一会で信頼と協力を - より一部抜粋

アトピー性皮膚炎の原因は様々な説があり、医師によってその原因のとらえ方が違います。本当は色々なタイプがあり、それぞれ原因が異なるのかもしれません。
その意味でアトピー性皮膚炎ときくと、わけがわからない病気であると、不安にかられる方々が多いのですが、理解して対処すれば大丈夫です。

「平家物語」に鵺(ぬえ)という怪物が登場してきます。サルの頭、トラの胴体と手足、ヘビの尾を持ち、いかにも恐ろしそうですが、分けて考えれば恐ることはありません。サルがいて、トラがいて、ヘビがいる。それぞれ単独ではそれほど不気味なものではありません。アトピー性皮膚炎も、原因不明と捉えると難治性の病気に思えますが、原因を分けて考え、それぞれに適した治療をすれば、改善・治癒させることができます。

私が考える原因とは、アレルギー、細菌感染症それとストレスの3つで、これらが非常に複雑に絡み合って多彩な症状を呈します。

~ 中略 ~

鎌田さんは、この3つの原因に対する治療をして、改善・治癒しました。

~ 中略 ~

その鎌田さんがこのたび、このような素晴らしい本を4年がかりで完成させました。私は読んで当時を思い出して、感動いたしました。
この本は鎌田さんが自分の闘病記を残したいという自発的な強い意志から生んだ魂の記録です。また、アトピー性皮膚炎の治療をされる方には、ステロイドの副作用の理解に役だち、さらにステロイドを安易に使用する現在の医療への警鐘にもなっており、非常に参考になると思います。
ぜひ、手に取って読んで鎌田さんの苦しみを共感され、そして治癒した時の喜びを分かち合ってください。
1人でも多くの方々が、1日でも早くアトピー性皮膚炎から改善・治癒することを心から願っております。

《協和会病院内科(アレルギー部門)/ 木俣 肇》


最近気になる食物アレルギー (2023. 9.1)

一つ目は、Pork-cat症候群(豚肉―猫症候群)と言いますが、豚肉と猫の成分が関連しているので、豚肉を食べてアレルギー症状が発症します。症状は軽症のじんましんから重症のアナフィラキシーショックまで様々です。豚肉を食べて異常がある方は注意が必要です。

二つ目は、アルファガルアレルギーと言いますが、マダニに刺された後に発症します。
人はアルファガルという成分を体内に持っていませんが、マダニにはあるので刺してその成分を人に注入します。マダニに刺されたことがはっきりしない場合もあります。問題は、アルファガルが牛肉、豚肉、羊肉にあり、これらの肉を食べて上記のような軽症から重症までのアレルギー症状が出ることです。ちなみに鶏肉にはありません。
更に、アルファガルはカレイの魚卵にも含まれていて、魚卵を持ったカレイを食べて症状がでることもあります。また薬剤やカゼインや乳製品にも含まれている場合があります。

これらはアトピーと合併する場合もあります。診断は、当院でしていますプリックテストという針で皮膚をこする検査で、疑わしい肉を刺してその成分をつけたまま皮膚をこすれば、採血の痛みもなく診断できます。
治療は疑わしい食物を除去し、抗アレルギー薬を継続して内服すれば改善します。
尚、アトピーには播種性単純ヘルペスウイルス感染症(カポジ水痘様発疹症ともいいます)を合併することがあります(図1と2参照)。

詳細は、「チーム木俣がアトピーを治す ステロイド・プロトピックフリーによるアトピー治療法」(木俣肇、松籟社)(図3)に詳しく書いてあります。

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心配なのはアトピーの方で、新型コロナウイルスのワクチン接種の後に、播種性単純ヘルペスウイルス感染症を発症される方が非常に多く、以前から当科では問題視していました。調べると、新型コロナワクチン接種または感染でヘルペスウイルス科の再活性の可能性があるということです。実際に新型コロナワクチン接種後に、播種性単純ヘルペスウイルス感染症を発症した例が、海外でも報告がありました。

アトピーに合併する色々なアレルギーや単純ヘルペスウイルス感染症に、気をつけてください。


IT時代での自分の意志(あとっぷ63号2005.03)   

IT時代である現代、情報の収集は、以前より簡単にできると言われています。が、本当の意味でそれが、有用かどうか、というと疑問です。皆様も、アトピー性皮膚炎に関する多くの情報を、ITから収集していると思いますが、かえって、氾濫する情報に、混乱して、自分の意志を決めかねているのが、現状ではないでしょうか?
  
昨年、色々なご縁があって、アトピー性皮膚炎の講演会を、東京、横浜、名古屋、滋賀県内2ヶ所、大阪、京都、等で、やらせて戴きました。
ある月は、毎週講演会という状態もありましたが、目的は、情報提供ということで意志が決まっていましたので、体は自然に動きました。率直に言って、情報伝達の目的は果たせたと、自負します。

私は、以前は京都府宇治市にある、宇治武田病院で勤務していました。元々、病院内で、講演会は積極的にしていましたし、病院へ通っている方々を対象とした、講演会もしていました。

講演時間が1時間30分なのに、質問時間が2時間という時もありました。そんな反応を感じて、如何にアトピー性皮膚炎の方々には、情報が少ないか、ということは、痛感していました。
そういう時、京都市在住のアトピー性皮膚炎の方が、情報不足の為、わざわざ東京まで受診しに行くという「事件」がありました。幸いにも、東京の医師が私の知り合いで、京都の近くの宇治にいる私を、すぐ紹介してくれました。
それで、その方は、私を受診して、その後、アトピー性皮膚炎は、完治しました。

しかし、この事は、如何に情報が伝わっていないかを、私に痛感させました。京都市からの患者さんも多かったので、京都でステロイドフリーの治療を希望される方は、宇治まで来てくれるだろう、という自惚れがあったのにも、気がつきました。

そこで、日本のどこでも、講演をしようと決心しまして、意志を表明しました。そうすると、様々なご縁で、東は東京から、西は大阪までの地域で、多くの講演依頼が、偶然にも重なってきまして、色々な方々に、出会うことができました。

講演では、私が考えているアトピー性皮膚炎の病因の理論と、それにもとづいたアトピー性皮膚炎の治療の具体的な経過を、パワーポイントで供覧でき、多くの方々に、理解してもらえました、と感じました。

アトピー性皮膚炎の発症の病因としては、
1)アレルギー、
2)細菌、
3)ストレス、
であり、悪化因子として、
1)ステロイド使用(プロトピックも含む)、
2)栄養異常(ミネラル異常、脂肪肝、等)、
3)環境因子(受動喫煙、排気ガス、IT関連の機器、等)です。

それらに対しての対策と、アトピー性皮膚炎への、ステロイドフリーの薬物療法を、詳細に講演しました。また、日常生活の中で、アレルギー反応を抑制し、尚且つストレス解消にも役立つことが、3つあります。
それらは、
1)笑い、
2)音楽、
3)キスです。

これらは、いずれも、私が医学論文として、欧米の医学雑誌に投稿して、既に掲載されています。

1)笑いは、チャップリンの喜劇映画(モダン・タイムス)や、Mr. Beanのビデオを見たりして笑うことです。

2)音楽は、モーツアルトを聴くことです。

3)キスは、カップル同士でーもちろん、恋人や配偶者ですー30分間、ソフトミュージックをBGMにして、自由にすることです。

この1)−3)は、アレルギー反応を有意に抑制しました。アトピーで苦しんでいる方は、この3つから縁遠い生活をしていませんか?

ということを、色々な味付けをして、講演し、実際の治療でアトピーが改善する様子を、多数写真で紹介しました。

本来の目的は、情報提供として始めましたが、講演を聴いた方々が、多数私を受診してくれて、しかもそういう方々は、治療とその後の大体の経過まで、理解してくれていました。
これは、本当にうれしい予想外の事でした。

東京で講演したら、非常に遠方ですが埼玉県の方が受診してくれ、名古屋で講演した後は、愛知県の方々が受診してくれ、滋賀県で講演したら、滋賀県の遠方の方々でも、今の大阪府枚方市の佐藤病院*1まで、受診してくれました。
そういう方々は、治療に熱心ですし、当然改善が早いのです。

講演を聴いて受診した方は、殆どの方が、途中で治療を中断せず、改善しました。こういう状況は、ITによる情報収集では無理です。自分の足で歩いて情報源に辿り着き、そこで自分の目で見て、自分の耳で聞いた事が、体にはいるのだと確信します。

更に現在、とりわけITですぐ入手できる情報は、エビデンスがなく、見切り発車的なものが多く、それに右往左往させられないよう、ご注意して下さい。

ということで、今年もより多くのバージョンアップした情報を携え、色々な方々との出会いに、出かけるつもりです。ちなみに、昨年の講演のタイトルは、「IT時代のストレスとアトピー性皮膚炎と、『ハリー・ポッター』」、「アトピー性皮膚炎における栄養異常と、『千と千尋の神隠し』」等です。

私の、講演をご希望の方は、お気軽にご連絡下さい。代表者に山下さんを通じて、お気軽にご連絡下さい。

最後に、私自身も、IT時代において、進路を自分の意志で決定しましたことを、付記します。医師の勤務は、殆どが出身大学の医局に縛られています。

私は、京都大学小児科の医局に所属していて、代々の教授が、赴任先を決めていました。いくつか、選択はあるものの、基本的に、その意向というか、命令には背けない状態でした。小児科医ではありましたが、アレルギーを専門とし、宇治の病院の診療では、アトピー性皮膚炎では、小児よりはむしろ成人や高齢者の方々が、多い状態でした。

それに加えて、同時進行で小児科一般の病気を診ていくのは、時間的、労力的にも、限界がありました。そこで、アトピー性皮膚炎の診療に専念したい、と強く思うようになりましたが、IT時代といえども、必要な情報は入手できず、どのような病院が私を必要としているのかは、全く不明でした。

色々な人に頼んだり、自分で応募したりしましたが、適切な病院がなく、空しく時間が過ぎていきました。しかし、希望を持って、診療と講演には、全精力をつぎ込んでいました。そういう時、たまたま、今の大阪府枚方市にある佐藤病院で、アレルギー科として赴任できる、ということになり、ここなら宇治からも近く、今診療している方々も、ひき続き診療できる、ということもあり、決心しました。

そして、京都大学の小児科教授に許可をもらって、小児科医を辞めました。これも、普通なら、「けしからん」ということですが、幸いにも今の教授は、私のアレルギーへの業績と、治療の実績を、理解してくれていましたので、許可をくれました。

皆様も、IT時代の機械に振り回されずに、それらをうまく活用しつつ、本当に必要な情報を集めつつ、尚且つ時間はかかっても、最後は自分の意志で、アトピーの治療を任せられる、信頼できる、ステロイドフリー、プロトピックフリー、の治療をできる医師を、決めて下さい。皆様のアトピー性皮膚炎が、一日も早く完治することを、心から願います。

機械で作れない、笑いの効用(あとっぷ66号2005.09)

 「日本笑い学会」という、ちゃんとした学会が、本当にある。これは、関西大学の名誉教授が会長を勤める、市民参加型の学会で、会員は、一般市民、社会学者、銀行マン、栄養士と多士済々で、そして、医療関係者も3割くらい参加している、異種業のメンバーによる学会である。

よく間違えられるのが、「お笑い学会」で、こういう学会は存在しないし、「日本笑い学会」は、「笑い」について、社会学的、医学的に、研究する真面目な、かつ面白い学会で、所謂お笑いとは、無関係である。

総会は年1回あり、今年も広島で開催し、私も発表してきた。私の発表は「アレルギー疾患を、笑いで乗り越えよう」というものである。これには、既に数年間のエビデンスがある。

まず、2001年に、喜劇王である、チャップリンの名作「モダン・タイムス」のビデオを、アトピー性皮膚炎の方々が観て笑うと、アレルギー反応が減弱し、その間は、アトピーの痒みも減少していいた。これを、アメリカの医学雑誌で発表した。

それから、アレルギー性鼻炎の方でも、Mr.ビーンのおもしろいビデオを観て笑うと、アレルギー反応が減弱することも、論文で発表した。笑っている間は、アレルギー性鼻炎の症状も、軽減していた。

更に、気管支喘息の方でも、笑いにより、メサコリンという、気管支を収縮させる薬剤に対する、抵抗性が増すこと、つまり、喘息が起こりにくくなることも、英語論文で発表した。

これらより、笑いは、色々なアレルギー疾患で、症状軽減効果がわかったのである。

笑いは、古くはNK細胞という、癌に対する免疫細胞の活性を、増加させることで、有名であった。その次に、リューマチでの、痛みの軽減にも有用なことが発表された。

私が見出した、アレルギー反応減弱効果はその次の発見である。その後、糖尿病の方での、食後血糖増加が抑制されることも、発表された。

つまり、笑いは、人間が本来持っている、万能の治癒力ではないかと、思っている。

現在は、IT時代で、情報はもちろん、物品の購入も、簡単にインターネットで、入手できる。しかし、その過程において、人と人との接点が、大幅に減少していることは、否めない。

笑いも現在では、安売りで、簡単に入手できる。
たしかに、TVでは、お笑い番組は、盛んであり、毒にも薬にもならない、お笑いを撒き散らしている。 
しかしこれらは、全て計算された、機械の作った商品であり、生身の人の、息吹は感じられない。

以前インターネットにもぐりこんで、引きこもっていた、10代男性と、20代女性、と30代男性の、アトピーの方々を、続けざまに入院させたことがある。
3人共、深夜までネットにかじりついている、昼夜逆転型で、アトピーもそれなりに、ひどかった。
更に、3人共、両親ともコミュニケーションがなく、家庭内で感情的にも孤立していた。

もちろん日々の生活で、笑いは全くなかった。それぞれの方に、時間をかけて、説得し、入院してもらい、幸いにも、3人共、完治に近いとこまで改善できた。
その過程で、人が作り出す、笑いの効用を述べたことは、言うまでもない。退院時には、3人共、笑顔で帰って行った、写真が手元にある。

アトピーの方に規則正しい生活が必要なことは、当然であるが、ネットにはまり込んでいる方々は、必要な運動も、人との会話も、なくなりがちである。

そういう方は、是非「日本笑い学会」に、見学に来て欲しい。笑いの、色々な効用が勉強できる。機械は、笑いを作れない。笑いを作れるのは、人間だけである。そして、人の作った笑いを体全体で、捉えて、哄笑できるのも、人間だけである。

生真面目と、笑わないこと、は全然違う。仕事は生真面目にして、また生きることにも生真面目でいい。
ただ、時にユーモアの精神が欲しい。そういう精神を持っている方は、心が豊かであり、人とのコミュニケーションも、スムーズである。

ちなみに、「日本笑い学会」は、「笑いの講師団」を登録していて、笑いと健康、等で、依頼があれば、そういう講師を格安で派遣している。もちろん、私も講師の一人である。ネットで、情報に溺れている方は、生身の人間の、笑いの感情を、再認識して欲しい、と思うこの頃である。

「アトピー性皮膚炎に対しステロイドを使わない治療を考える会」の将来(あとっぷ70号2006.05)

2006年2月19日に、「第8回アトピー性皮膚炎に対しステロイドを使わない治療を考える会」が行われました。
この会は私が8年前に、次々とステロイド中止後の、リバウンドの患者さんが受診されて、「何とかしなくては」と痛感して、設立した会です。

しかし当時は、面識があるのは玉置先生くらいで、関東や、中部地方のステロイドフリーの治療をする医師とも面識もなく、手探り状態でした。
玉置先生の協力が得られないなら、設立を断念しようと密かに思っていました。幸いに、玉置先生に快諾してもらい、その後、ずっとかなりの援助をしてもらっています。
来年は、淀川キリスト教病院内のチャペル内で開催できることともなり、感謝する次第です。

会の運営には、当然資金と労力がいります。この点は、Kメーカーの京都支店が、私を個人的にサポートしてくれて、無償で資金援助と、当日の受付、進行をしてくれました。
Kメーカーもステロイドを販売しているので、この会のサポートには、当然本社から反対もあったそうですが、京都支店の支店長のご好意でOKとなりました。

Kメーカーと私とは、最初はアトピー性皮膚炎の治療薬を通じて知り合いましたが、その後、何人かの方達と、仕事以外でも利益を度外視して信頼関係ができました。
そういうことがベースにあったので、サポートをお願いしたのですが、この会がKメーカーにとっても何らかの仕事上のメリットがあればとも、希望的観測に思いました。
そうでないと、普通はメーカーは、研究会のサポートはしてくれません。
しかし、現実的には、Kメーカーには全くメリットはなく、あくまで好意でのサポートでした。その意味ではKメーカーに感謝するだけです。
但し、京都支店だけのサポートなので、私が京都支店の管轄外に転勤することがあれば、そのサポートは当然消えます。

それでも、7年間、つまり第1回から第7回まで、サポートが得られました。この7年間に得たものは大きく、新しい知識の習得以外に、日本全国のステロイドフリーの治療をする医師との、連携にも役立ちました。
そして、一昨年私が大阪府枚方市のS病院に転勤となり、サポートは消えました。

そして、第8回の今年は、名古屋の深谷先生の個人的な寄付により、運営の全資金が得られました。
完全なる深谷先生のご好意です。更に、当日の受付は会の事務局を買って出てくれた、東京の緒方さん(株式会社トーワ代表取締役)、atopy-free.comの有田さん達にお世話になりました。正に手作りの会です。

スポンサーが消失したことにより、参加も自由となり、誰でも参加できるようになりました。今年の講演者は研究者の中野先生でしたので、一般の患者さんにはやや難しい面もあったかも思いますが、今後とも情報提供の会として、運営していきますので、できるだけ多くの方々にご参加戴ければと思います。

誰でも参加できるということは大きな意味があります。参加費が会の資金になるのです。逆にいうと、資金は会費だけです。ですので、今後ともこの会がしっかりと運営できる為には、なるべく多くの参加者が必要です。

今年は今までで、一番の参加人数でした。来年はもっと多くの参加者がいることを願います。幸いに玉置先生のご尽力で、来年の会は、2007年2月24日(日)、会場は淀川キリスト教病院のチャペル内で開催できます。
会場費、その他がかなり安価でできるわけです。今後もそういう会場を探し、手作りの会ですが、更なる発展をしたいと思います。

しかし、将来に不安定な要素もあります。今気になるのは、ステロイドフリーの治療ができる医師が、年々高齢化するだけで、若手の後継者がいないことです。

ステロイドやプロトピックの害を理解してくれれば、私は喜んでどんな医師にでも、私の治療法を伝授します。逆に言うと、そういう若手に、ステロイドフリーの治療法を教育しないと、10年後のアトピー性皮膚炎の治療は、ステロイドとプロトピックのみになる可能性もあります。

アトピーの患者さんも、情報を集めて、自分でステロイドやプロトピックを使用しない、治療法を求めて欲しいとも思います。

最近私を受診されたお子さんがアトピー性皮膚炎の大阪府在住の方で、10件くらいステロイドフリーの治療を求めて、色々な医療施設を受診して、その度に失望を味わって、やっと私を知ったそうです。

今はその方のお子さんも、アトピー性皮膚炎は完治に近い状態です。そういう無駄な労力を患者さんにさせない為にも、この会が一つの契機になれば、幸いです。
会の将来の為にも、皆さんの協力に感謝いたします。

アトピー性皮膚炎の真実と世界の真実(あとっぷ77号2007.07)

私は10年以上講演活動を続けていますが、最近講演後の質問で、よく出るのは、「どうしてステロイドを使わない治療が、もっと世界に広まらないのか?」という、疑問です。

実は、色々な医師がステロイドを使わない治療を広める努力をしました。最も偉大な努力は玉置先生によってされました。が、それに対して、皮膚科学会の教授達等が玉置先生を感情的に、攻撃したのは許し難いです。

同様な経験は私にも多くあります。講演活動の最初の数年間は、私は医師にも講演をしていました。アトピー性皮膚炎はステロイドでは改善しない、という事を訴えて、私のしているステロイドを使わない治療での、改善例や治癒例を紹介してきました。

しかし、100%の割合でそういう医師達は私を攻撃してきました。いわく「その治療は民間療法ではないか」「その治療はいいが、ステロイドを使えばもっと治る」等々。攻撃する医師に受診していて、改善しない例を、私が治癒させているのに。

残念ながら、無知で傲慢な医師にはつきあいきれない、というのが正直な実感です。それで、その後、医師を対象とする講演は一切やめました。そういう意味でも、玉置先生の尽力には敬服します。紙上を借りまして、玉置先生に、本当にご苦労様ということと、感謝を述べます。ちなみに、私も、患者さん、薬剤師さん、栄養士さん、等の方々には積極的に講演しています。

結果としてその分、医師以外を対象とした講演会は増えています。それは今後もライフワークとしてやります。しかし、最近アトピー性皮膚炎の低年齢化―高齢化が顕著になっています。

1970年には僅か1%弱だったアトピー性皮膚炎の有病率が、2007年の今、20-30%に激増している、事実を認識すべきです。これは世界的に共通です。原因は多岐に渡り、分析が難しいですが、エスキモーでもアトピー性皮膚炎が増えていること、(ダイオキシンもアレルギー反応に関与します)、等で、環境の汚染も一因だと思われます。しかし、このような世界的な検討がまだまだ無いのが、実態です。我々にできる事は、情報を集めて、アトピー性皮膚炎の「真実」を認識することです。

An Inconvenient Truth (AL Gore著)を深い感動を持って、読みました。映画はアカデミー賞をとりましたが、本も重要な情報が多く、読みごたえが有りました。地球の温暖化の「真実」を知りました。世界の危機だと思いました。有史以来の地球の資源を枯渇かさせ、地球を崩壊している、現代文明は何だろう、と痛感しました。

私は以前から、IT時代のストレスが、アレルギー反応やアトピー性皮膚炎の悪化に関与している事を、英語論文で報告してきました。コンピューターワーク、携帯電話、TVゲームも、長時間すると全て悪影響につながります。

現在、IT機器の会社が巨利を得ていますが、IT生活が本当に健康にいいかどうか、再検討して欲しいです。4歳の子でも、TVゲームに夢中で、食事も取らないという、報告もあります。こういう子供が世界の将来を担えるでしょうか?

アトピー性皮膚炎の方も、深夜携帯とかネットに夢中で、夜更かししている方は改善が遅れます。更に、IT機器の廃棄は環境汚染となってもいます。健康にいい環境作りが、必須です。

地球温暖化は、実は色々の疾患も増加させます。西ナイルウイルス、SARSとかの色々なウイルス疾患もそうですし、温暖化でアレルギー性の強くなった花粉が増えたという報告もあります。

これは花粉症の増加に繋がりますし、花粉でアトピー性皮膚炎も悪化します。最近、私が密かに心配しているのは、アトピー性皮膚炎に、ヘルペス感染症の合併が非常に増加していることです。単純ヘルペスの全身感染症で、カポジ水痘様発疹症といいますが、顔、腕、四肢、全身の皮膚にヘルペス感染症の水疱ができます。




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